歯科技工

歯科医療で活躍するCAD/CAM技術の概要と歴史、メリットとは?

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歯科技工士は患者さんの歯の修復物や入れ歯、矯正装置などを製作、修理する職業です。

患者さんの口の中に入る技工物はハンドメイドからCAD/CAMなどのデジタル技術を使って製作するものに変わってきています。

このページではCAD/CAMの概要や、歯科医療にどのように活用され、どんなメリットがあるのかや、保険適用の歴史について解説します。

CAD/CAMとは?

CAD/CAM とは「computer-aided design/computer-aided manufacturing」の略称です。

CADとはコンピューターによる設計支援、CAMはコンピューターによる製造支援という意味で、計測装置、設計装置、加工装置の3つから構成されています。

つまり、コンピューターを用いて設計や生産を行う技術ということです。

CAD/CAMシステムは自動車産業などの工業での構造設計の分析や生産ラインに使用され、大きな効力を発揮してきました。

 

歯科技術におけるCAD/CAMと導入のメリットとは?

CAD/CAMの技術は近年歯科医療でも多用されるようになり、技工作業の効率化によって高品質な技工物を安定的に供給することができるだけでなく患者さんへのメリットも出てきています。

歯科技術におけるCAD/CAMとは、口腔内に装着するクラウンやインレーなどの補綴物をCADやCAMのシステムを用いて設計、作製する技術を指します。

従来ほとんど全てを手作業で行ってきた工程にCADやCAMを作組み込むことによって作業の効率化が図られるだけでなく、仕上がり具合のばらつきを防ぎ、さらには今まで利用できなかった素材も使えるようになるなど、技術革新が目覚しい分野です。

 

また、患者のメリットとして「印象材を使用した歯の型採りをする必要がなくなり、患者さんの肉体的負担や不快感を軽減することができる」ということや「治療時間の短縮をすることができる」ということなどがあげられます。

 

 

CAD/CAM技工物の保険適用の歴史

歯科用CAD/CAM システムを用いた白い歯の被せ物であるハイブリッドレジン冠(CAD/CAM冠)が、2014年4月から医療保険導入されましたが、当時は小臼歯に対してのみの保険適用でした。

そして、2017年には条件付きですが下顎第一大臼歯も保険適用の対象になりました。

CAD/CAMを使用した技工物作製の流れ

歯科医院で歯を削ったあと、歯科医師や歯科衛生士が口腔内スキャナーを使用して歯型や噛み合わせのデータを撮影します。

その後の歯科技工士の作業工程についてみていきましょう。

CAD/CAMを使用した技工物作製の流れは下記の4つの工程に分かれています。

1.スキャニング

スキャナーで患者の歯の模型をスキャンします。

 

2.デザイン

CADというソフトを使用して技工物を設計します。

3.マシニング

CADで設計したデータをもとにCAMというソフトを使用してミリングマシーンで材料を削りだします。

仕上げ

技工用エンジンを使用して研磨します。

まとめ

CAD/CAMの技術はめまぐるしい早さで発展してきており、保険適用も進んでいるため、この技術を応用したデジタル技工は注目されています。

歯科技工士だけでなく患者さんにも導入するメリットはあるので、広く普及することを願っています。

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